11/8 AM、の交換しない日記。

目が覚めるとすぐに、
あたしは自分を追い込む趣味しか
持たず、興味がわかないことに気づく。
もっとぼんやりできる行動はないか考え、
幼い頃、デパ地下のケーキ職人さんが
ケーキを作る行程を
ずっと眺めていたことを思い出した。


昨日 目にした
「もうサンタにならないといけない」という
その一言が頭の中でぶり返す。
あたしがいつからか何を見てもしても
楽しめなくなったのは、
あたしがサンタになっていない事実を
突きつけられているからだと思い知った。


ついでに、あたしは残念ながら
人の表現にさほど興味が持てないことにも
本当についでのように気づかされた。
このことはあまり詳しくは書かない。


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めるみほしきを頻繁に更新した後、
久しぶりに絵を描いてみている。
でも、あたしのやっていることは、
絵を描くと呼ぶには無機質な作業なので、
いつかこの行為に
新しい名前を付ける必要があると思う。


あたしのその作業の始まりは、いつも真っ白。
昨夜 向き合ってみた粘土も同じで、
こねこね、描き描きしている最中に、
形になりたいものの片鱗をつかむことになる。


なので、いつも不安に包まれながら
誰のためでもなく、ひょっとしたら
自分のためですらなく取り組み始める。


なぜ進んでこんな想いに駆られるのか。
それはその先に待っている何かがあるかを
どういうわけか確かめたくなるから。
何かが必ずあることを
信じているわけではないらしい。
でも これまでどこかに
たどり着けなかったことはないと
過去のあたしはどうやら結論づけてきている。
それはもしかしたら
あたし自身に甘いだけかもしれないけれど。


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そういうわけで今回も片鱗をつかめた。
でも いざ握ってみると、
その目的地には興味が薄れてしまう。
こういう心理はあたし特有ではないはず。


片鱗をつかもうとする間は
ライヒフィリップ・グラス
そのモチーフに出逢えてからは、
あら恋を聴いて作業してみた。
フィリップ・グラスのGlassworksは
驚くほど完成しつくされたアルバムだった。


片鱗をつかんでからの作業の方が
粗さが生まれスピード感も出ていた。
人は目標が明確になると、
前に進む速度が速くなり、
早くゴールに着きたくなる。
それはきっと新たなスタートを
早く切りたいだけ。


さらに、片鱗をつかんでからは
一気に眠気が舞い込み、寝ることに。
夢の中では飛行機のジェットエンジン部分に
スポットライトを当てた自作MVが流れる。
ここ半年ほど、夢の中で作曲することが多い。
今回は今までの中で一番好みだった。
MVは鉄のモニュメントが
一瞬で生えるようなシーンが印象に残る。


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起きてからはお気に入りの紀行番組を見る。
今回の舞台はオーストリア
その場所の見どころなどがほとんど紹介されず、
偶然の人の出逢いから想像していなかった光景を
目にすることが多かった今回の旅に好感を抱く。


今回の旅に出てきた
「拒絶は拒絶しか生まない」
「鉄道は距離を縮め、物理的関心を高め、
文化の交流をより深める」というふた言。
最近のあたしが いかに情報に蓋をして、
このふた言に反したことをしていたかを考える。
あたしにとって心地よいバランスは、
きっと世間で居場所を見つけにくい濃度なのだ。


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それにしても、起きてからもユダヤ音楽や
キーフェダルという伝統楽器の音色や
パイプオルガンの響き渡る音を聴くことに。
今日は耳が冴えたがっている日なのかも。