2017-09-01から1ヶ月間の記事一覧

街中で見つける後ろ姿が、の話。

あたしに、あたしの後ろ姿が見えたとしたら、 そのあたしを追いかけたいと思うでしょうか。

首のかしげを火で温めれば、の話。

去年が終わろうとしていた頃、 あたしの身体が命を宿らせたいと 何の前触れもなく訴えかけてきた。 あれは国道だと意識したことがない、 大きな道にかかる歩道橋の上。 突然こぼれる涙をただ受け入れながら。 どうしてガソリンスタンドから 嫌な油の臭いは漂…

頭の中ががらりと、の話。

ここに来ると、 話す言葉も書く言葉も様変わりする。 直前の直前まで、頭を埋め尽くしていた文字の並びは 全くもって違ったというのに。 そんなふうに一瞬にして、 あたしを取り巻く風のにおいを変えてしまう。 この場所は、きっときっと大切にしないといけ…

ハロー、世界、の話。

最近、ふたたび開始したのは、 本を読みながら世界を巡ろうという計画。 今回は、南アフリカかオーストラリア、 いずれにしても南半球から始めようと。 でも、最後の最後までどちらにしようか決められず、 南アフリカ出身で現在オーストラリアに住んでいる作…

すごろくを作れば、の話。

世界すごろく、とは苦し紛れに名を付けましたが、 いざ考えてみると、案外いいネーミングでした。 すごろくを作っているのはあの人ではなく、 あたしだという決め事があるだけで。 コマを進めるのも、あたしの強い気持ちだったり、 隣の人が向かう先に気まぐ…

もやもやを持てないもやもや、の話。

あなたという小説に登場する ルーシーという娘さんは、 南アフリカのアパルトヘイト廃止直後を たくましく生きる女性だけれど、 その姿を、あたしは あたしが望んで立ち寄る街の一角で よく見かけたことがあるような気がしています。 その彼女は「善い人」を…

文学論をひとり遊び、の話。

小説家である著者が生み出した架空の小説家が、 作品の中で意気揚々と、著者本人が普段口にする 文学論や作家論を登場人物相手に戦わせる。 という劇を著者がひとりで演じ分けているのです。 そういうひとり遊びの楽しさを あたしも少しばかり知っている気が…