2016-03-01から1ヶ月間の記事一覧

あたし以外の女の子、の話。

あたし以外の女の子は、みんな可愛くて、 あたしがどんなになりたいと望んでも なることができない憧れの存在なのです。

切り刻まれた一瞬のかけらに、の話。

人との距離感がつかめず。うろたえる時の振動が、 足元の地盤を静かに揺るがしては表面を崩していく。 予期せぬかたちで声をかけてきては、 あたしの髪に手ぐしを一度だけ通し、 跡形もなく人混みに吸い込まれていったのはあなた。 取り残されたあたしの頭に…

会話のダストボックスに吸い込まれ、の話。

周りから聴こえてくる会話に耳をそばだてると、 どのやり取りも物語みたいに一風変わっていて、 同じ会話には一度も遭遇したことがない。 (だからこそナショナル・ストーリー・プロジェクトは 成立するわけであります) 共通するのは、お会計を割り勘するやり…

ホワイトデーに自主的な約束を、の話。

昨日のホワイトデー。 バレンタインにあげたことがないお方から ミルクキャンディしか入っていない 大きな大きな、大きいのに可愛らしい 木箱をもらいました。 今時ホワイトデーにキャンディをあげる方が まだ居てくださったなんて、それだけで、 あたしは救…

沈みゆく光景ばかりをスケッチ、の話。

この世に心の特効薬なんかなくて、 それに近しい音楽ですら、 聞き出した途端、終わってしまう瞬間が 待ち受けていることに怯えてしまうから、 余計に不安が増してしまう。 前向きなことを書こうと思えば書けるけど、 あたしにとっては結局のところ無臭無味…

落ち込みは性的なうずうず、の話。

電車とホームの隙間。 普段は何でもなく見えるのだけど、 たまに吸い寄せられるような気持ちになり、 何かの入口のように思えてくるのです。 でも、それは何かを終わらせたいとか、 きっとそういう深刻な話ではなく、 その狭い隙間をくぐり抜けるのは 窮屈で…

自分の身体を食べ尽くす、の話。

ぞくぞくするような気持ち悪さがたまらない快感を伴うのは、 身体の外側で延々と起きるめまぐるしい出来事より、 身体の内側に広がりゆく無限の世界で起きること。 自分の身体を自分で食べ尽くすことは、 世の中で一番大切にしていい行為なのに、 背徳感や裏…

愛犬が亡くなった、の話。

また起きた。どうしてなのか。愛犬が急死した。 家にいたのに、その死に目に会えなかった。 お母さんだけがその辛さを引き受けないといけなかった。 何より、何の悲しみもちっとも舞い降りてきてくれない。 前回もそう。あたしがお風呂に入っている時に、 ま…

出来事なんてもったいない、の話。

あたしに悲しい出来事なんてもったいない。 どうせ悲しみ切れないのだから。 あたしに楽しい出来事なんてもったいない。 どうせ楽しみ切れないのだから。 感情という感情が皮膚から滲み出すのを恐れていたら、 いつの間にか感情を露に出来なくなりました。 …

空っぽな可愛さを添えて、の話。

世の中に正しいことなんて何一つないのに、 人の言うことにいちいち傷付いてしまうし、 人の言うことにいちいち勇気付けられてしまう。 あたしは人を傷付けたくなければ、 人を不必要に勇気付けたくもない。 ただの空っぽな可愛さを添えて、 そこに立ってい…

和傘をひらいてはとじる、の話。

あたしがあなたを好きになる以上に、 あたしはあたしを好きでいないと、 あなたはあたしを好きになってはくれないから。 でも、あたしがあたしに夢中になってしまえば、 もしかしたらあなたじゃなくてもいいのかもしれない、と、 そのことに気付いてしまうこ…

とじた和傘を少しひらいて、の話。

はたまた、あなたを心に残しておきたい あたしの欲望のためなのでしょうか。 そうなのだとしたら、 あたしはあなたを通じてしか 浮き彫りにならないあたし、が見つめることで はじめてそこにいると確認できるあなた、にしか 生かされていないのかもしれない…

月明かりに「下書き」の影絵を、の話。

あらゆるところに「下書き」を溜め込んでいる。 ブログも、SNSも、携帯のメモ機能も、日記帳も。 そこは、ゴミ袋なのか、宝箱なのか、 はたまたブラックホールなのか。 いずれにせよ、あたしの本当のもやもやには、 地上で花咲かすことを選ばせずにいたら、 …