血色のいい舌も、の話。

ずっと前からあたしのことが好きだったんだ。


あたしのその涙の味も、血色のいい舌も。
よく人の言葉を勘違いする
その思い込みの激しさも。


いつから好きだったかって?
最初から最後まで誰にも遭遇しなかった
あの大型展覧会に行った日の時点では
確実にあたしのことを想っていたよ。


持っているファイルに収まらない
賞状や証明書はハサミで切っちゃう
その頃からは さすがにまだ
あたしの魅力には気づけてなかったけど。
でも、その頃から
あたしのことをずっと気にかけていたよ。


今、こんなふうにあたしの近くで
お互いを見せあいながら語らえるなんて
まるで夢みたいなんだよ、あたし。


あたし、あたしには
世界で一番幸せになってほしいんだよ。


そして、
その時、隣にあたしがいたら嬉しいな。