ペンのインクを溶かす、の話。

イギリスのナレッジという場所でのお話です。

本の代わりに人を借りる“Living Library”
Posted 2008年04月23日(水) 11:33
英国のTimes紙で、本ではなく、人を借りるイベント“Living Library”について紹介する記事が掲載されています。これは、ある特徴を有する「人」を借り、その人と30分話しをすることを通じ、その特徴について理解を深めることを目的としています。蔵書となる人は、イベントによって変わりますが、記事で紹介されている英国でのイベントでは、警察官、完全菜食主義者、男性ベビーシッター、ゲイ、イスラム教徒といった人が蔵書として集まりました。彼らは、健全なステレオタイプの代表として、読者が予期する特徴のもと、タグ付けされ、カタログ化されています。“Living Library”は、現在世界で起きている暴力行為や武力侵略が、人々がお互いのことを理解しあっていないからである、という理念のもと活動を開始し、2000年にデンマークで初めてのイベントを開催、その後、ノルウェーハンガリーを中心に活動範囲を広げてきたということです。

The new library fad: borrow a person

http://women.timesonline.co.uk/tol/life_and_style/women/the_way_we_live/article3790377.ece


ゼミの関係でインタヴューしているのですが、そういう経験をさせていただくと、更に上の試みに共感出来るような気がします。
実際、ってこんなに違うんだなぁと。


もちろん、この図書館で語られたことが新しい「正しさ」になるわけではないですが、
(真実は人の数だけあるということは、国語の解答の多さから学びました)
実際に印字になったものを読んでいるだけだと生まれてしまう勘違い。
そして、印字になったものは必ず「正しい」と感じてしまう感覚。
それらに違和感を覚えた人達の試みなのでしょうか。
改めて、剣より強いと言われているペンの強さを実感させられました。
(あるいは、そうやって本を世に広められる人達が持つ影響力の強さと言うべきでしょうか)



ペンのインクを溶かすような作業が、実際に誤解を解くことにつながるのですね。
古文の掛詞のようで、いい感じです。



ちなみに、日本語のサイトの「人間図書館」はこのようなものでした
http://www.tfcc.or.jp/cshl.html



ちゃんちゃん☆