日常をさまよう感情、の話。

原美術館の中がしましまぽっぷ、になっています。
Jim Lambie:Unknown Pleasures」
http://www.haramuseum.or.jp/generalTop.html
2005年にはターナー賞の候補にも挙がっていたジムランビーさん。一言で言うと、スタイルが好みです。作品の意味とかうんぬん抜きでいい◎と思えました。どんなものでも、この人が手掛けたらきっと受け入れられるのではないかなあと思います。これまた一言で言うと、彼の作品は笑いながら泣いて、泣きながら笑っているような気分に陥ります。


一見派手に見える彼の作品には、どこかものさびしげな一面があります。イロトリドリでビビッドなのに、ちょっと満たされない感じ。そのもどかしさの生み方が(意図的なのかは分かりませんが)とても上手だと思いました。アート、の定義っていつだって曖昧ですが、どのような風にも感情を揺さぶるものであることは条件だと自分なりに感じています。その中で、もどかしさ、というとってもミクロで日常的なな感情を引き起こすことを選んだ(あるいは、結果としてそれを選んだ形になった)ジムさんは、やはり現代を生きる人だなあと感じます。昔より美をたしなむことは減ったかもしれませんが、人間ってやっぱり繊細なんですよね。


そして、↑のことを書いていて、自分なりになせ彼が日用品を使っての作品をつくっているのかが少し分かったように思えます。日常的な感情を引き出すために媒体という認識を持っているのではないでしょうか。作品数が少し少なかったのが残念でしたが、また行きたいと思える展覧会でした。