めるみほしきなお芝居① 〜春にして君を想う〜
『春にして君を想う』
アイスランド旅行の支度として、鑑賞しました。
- 出版社/メーカー: ブロードウェイ
- 発売日: 2004/03/05
- メディア: DVD
- クリック: 7回
- この商品を含むブログ (23件) を見る
そんな老人ゲイリとステラによるロードムービー。
アイスランドの荘大な自然が、二人の道中を彩ります。
盗んだジープは壊れるし、二人が歩く姿に頼もしさはない。でも、かっこいい。
どんな人生でも最後に待ち受けているのは死である。
これほどまでにそのことをストレートに表した作品はあるのでしょうか。
言葉も少なく、シナリオは至ってシンプル。
ひとシーンひとシーンのつながりがするすると入らず、数分経ってから分かる感覚が新鮮で、その時間差が味わいの一つです。
印象的なシーンを一つ。
旅に出る前に、ゲイリがステラに新品のスニーカーを買ってあげる場面。
足元は妙に白く鮮やかで、ただ当のステラは残された体力を振り絞っての最後のひと旅。
そのアンバランスさが表現され、目に焼きつく印象的なシーンです。
また、旅立ちの時に行う「儀式」というのは人によって様々あるかと思いますが、「靴を新調する」というのは私なら最もしないことであると同時に、なぜだかとても共感してしまう「儀式」でした。
最後は『ベルリン天使の詩』からの引用シーンもあります。
この映画、お薦めされていて、あらすじ聞いただけで泣いてしまいそうなのですが、やはり見ないと。
- 出版社/メーカー: 東北新社
- 発売日: 2006/04/21
- メディア: DVD
- 購入: 7人 クリック: 152回
- この商品を含むブログ (124件) を見る
涙は流れませんが、心に染み、胸が詰まる思いになります。
個人的には『パーフェクト・ワールド』を観た時と近い心境になりました。
この映画も中学の時に見ましたが、心の奥深くに宿り、忘れられない作品です。(今年、リマスター版が出てる!)
- 出版社/メーカー: ワーナー・ホーム・ビデオ
- 発売日: 2010/04/21
- メディア: DVD
- 購入: 3人 クリック: 24回
- この商品を含むブログ (30件) を見る
余談ですが、小沢くんは同タイトルの曲を出しています。
偶然か故意か、彼が出した最後のシングルのようです。
二人の旅は冬に始まり、春に終わりを迎えます。
生と死が混在する季節に旅の幕は閉じ、自然の一部になるということは、自然に還ることで完結することを知るのでした。