めるみほしきなお芝居5 〜マッチポイント〜

ウッディ・アレンが初めて前編を通じて、アメリカを離れて撮影した作品。

いつもながらのコミカルな会話やテンポは一切排除され、

その土地、そこに住む人々にふさわしい空気が流れていく。

最後の10分ほどでの畳み掛けに、彼ならではのぴりっと辛いユーモアが。

その抑えが効いた演出が、個人的には他の彼の作品よりも好ましかったです。

こういう作り方も出来るんだ、さすがと思わされました。

また、川に指輪を投げる象徴的なシーンへの解釈の裏切り方もお見事。


ファンからも支持が厚く、ウッディ・アレン本人が好む自作。

両側から好まれる理由が何となく理解できる作品です。