まだ指揮者にはなれなくて、の話。

さみあもにょるは、もうガラクタ箱に入れたのだよ、と
あたしの口の左側の喉奥から聞こえてきた
過去のぼやきは、腹話術のいたずらだったのか。
最近は あたしの中の めるみほしきな感覚が、
ひょんな刺激を受けても再現されるようになりました。


とある宣告を受けたというのに、
あたしの身体は いつになく浮ついています。
春の中とお化け屋敷の中を同時に飛び回るような
そんな気持ちを胸に収めて。


あたしは まだ平穏、に生命力を吹き込めるほどの
指揮者には なれていないようで、
スリルを脈動感と勘違いする めるきほしきさが、
今は身体の中を駆け巡っているのでした。