やっぱりほど遠い、の話。

いつもとはなぜか違って
今は少しだけ近くに感じられるの。


あたしにも いつかは来るのかなと
どこかで予感していたその瞬間が
今こうやって柔らかく降り注いでいて。


そのことに心がはしゃいでいるあたしは
やっぱり あなたには ほど遠い。


どこからか立ち込める
古いレコードの匂い、と
味よりも酔うことを楽しむ一杯。


そして、あなたに出逢えたのが
この季節であることの喜び。


佐井好子さん 『ひら ひら』