めるみほしきなお芝居9 〜1900年〜
ベルナルド・ベルトルッチの『1900年』、316分の超大作。
3日に分けて鑑賞しました。
3世代に渡る地主と農民の関係が、
ファシズムが台頭し崩壊するまでの流れが、
また、同じ日に偶然生まれた二人の男の人生が、
壮大なスケールの中の、たった二粒の人生が、
どちらもぶれることなくピントがあったかたちで描かれていました。
印象に残ったのは、その場面のアクセントかのように使われた動物たち。
何と表現すればいいのかまだ悩んでいますが、
こんな効果的な動物の使われ方は初めて観ました。
これを観るだけでも価値があると思います。
また、主役級の俳優たちが素晴らしいのはもちろんのことなのですが、
それ以上に記憶に刻まれたのは、名もない農民たちの集団演技。
どうやら俳優ではなく、地元の農民たちのようなのですが、
その団結力、また、その団結力を表現する術。
演技ではないからこそ、しっかりと表れていたのかもしれません。
また、彼らはとにかくよく歌います。
悲しみを表現するときも、勇気付けるときも、歓喜にあふれるときも。
歌の種類が実に豊富にあります。
昔の農民たちは創造性豊かだったのですね。
そして、人の生活にそういった創作は欠かせないものなのだな。
以上、メモ代わりのまばらな感想でした。
追伸
あと、イーユン・リーの長編も思い出しました。
歴史の中で描かれるごくごく普通の生活とは。