ホワイトデーに自主的な約束を、の話。

昨日のホワイトデー。
バレンタインにあげたことがないお方から
ミルクキャンディしか入っていない
大きな大きな、大きいのに可愛らしい
木箱をもらいました。
今時ホワイトデーにキャンディをあげる方が
まだ居てくださったなんて、それだけで、
あたしは救われた気持ちになりました。


そして、愛の告白を受けたのです。


あたしはその告白がとても嬉しく、
大喜びでありがとうを伝えました。
あまりにも幸せな気持ちになったので、
あたしは自ら進んで三つの約束を交わしました。


「あたしはあなたの前では愚痴を言いません。
もし言ってしまったら、あなたを
あたしから誘うことはしません」


「あたしはあなたを欲しがったりしません。
もし欲しがってしまったら、あなたには
もう二度と触れません」


「あたしはあなたの前では絶対に泣きません。
もし泣いてしまったら、あなたの前には
もう二度と現れません」


あたしはそのお方の顔色も確認せずに、
そう宣言し、どこかの遠い世界で書かれた
おとぎ話に出てくる一瞬の奇跡のような、
こののぼせ具合が、いつまでもいつまでも
続くことだけを願っていましたとさ。


おしまい。