交換しない日記、の始まり。

続くか分からないけど、 書きたい日に書きたい内容しか残さない そんな交換しない日記を書いてみようと思います。 日記をブログ上に書きたい、と 思う人の気持ちが少し想像できた記念日から。

11/8 AM、の交換しない日記。

目が覚めるとすぐに、 あたしは自分を追い込む趣味しか 持たず、興味がわかないことに気づく。 もっとぼんやりできる行動はないか考え、 幼い頃、デパ地下のケーキ職人さんが ケーキを作る行程を ずっと眺めていたことを思い出した。 昨日 目にした 「もうサ…

ママがもうすぐ帰ってくる、の話。

あたしが「昔ね」と 打ち明け話をするのはパパが多く。 ママはあたしに耳は隠し、 口しか見せてくれないから。 でもパパは男の人だから、 あたしのほんとに言いたいことは きっときっと分からない。

ねえ、バスキア、の話。

ねえ、バスキア。 夜の静けさは不安になるほど長いのに 朝の静けさはほんの一瞬で。 鳥の群れが一斉に飛び立つ直前の瞬間を 薄白い月がまだ浮かび残るひとときを あなたはずっと身にまとっているのかもしれない。 あなたの色彩は鮮やかで濃厚。 あなたの描く…

もやもやのためのもやもや、の話。

自信が朽ち、地面にべとっと落ちたのは、 頭の中を埋め尽くしていたはずの 多くの言葉たちであります。 自信を持たない脳内は、 言葉を生み出す機能が傷を負い、 もやもやが本当にもやの状態で、 そこにあるわけです。 昔のもやもやは、溢れだす言葉たちを …

その甘い汁は、の話。

その甘い汁、は それはそれはきらきらしていて。 無意味に、不必要に 輝きに満ちているけれど 間違いなく今この瞬間のあたしが 何よりも一番未来に放り投げたい そんな滴りなのです。 それは遠い昔から息づいている あたしが生まれる前から芽を出している あ…

愛称をつけた未知の大海、の話。

固有名詞は使わない、が自然と決めごとでしたから、 あたしの言いたいことは どこの地面にも着地しません。 でも最近は、いっときに比べ、 文章の溶け具合が穏やかになり、 言葉がまとまりたがっているようなので、 その変わりように気づいている合図に、 今…

何も身に着けずに、の話。

作品と向き合った時の気持ちを記すこと。 どういうわけだか、ここにはそぐわないようで。 他の壁には落書きできるのに、 ここにいる間はなかなか書こうとしないようで。 ここに来た時には、 あたしは手ぶらでいたいようです。 ここに来た時は、身軽でいたい…

街中で見つける後ろ姿が、の話。

あたしに、あたしの後ろ姿が見えたとしたら、 そのあたしを追いかけたいと思うでしょうか。

首のかしげを火で温めれば、の話。

去年が終わろうとしていた頃、 あたしの身体が命を宿らせたいと 何の前触れもなく訴えかけてきた。 あれは国道だと意識したことがない、 大きな道にかかる歩道橋の上。 突然こぼれる涙をただ受け入れながら。 どうしてガソリンスタンドから 嫌な油の臭いは漂…

頭の中ががらりと、の話。

ここに来ると、 話す言葉も書く言葉も様変わりする。 直前の直前まで、頭を埋め尽くしていた文字の並びは 全くもって違ったというのに。 そんなふうに一瞬にして、 あたしを取り巻く風のにおいを変えてしまう。 この場所は、きっときっと大切にしないといけ…

ハロー、世界、の話。

最近、ふたたび開始したのは、 本を読みながら世界を巡ろうという計画。 今回は、南アフリカかオーストラリア、 いずれにしても南半球から始めようと。 でも、最後の最後までどちらにしようか決められず、 南アフリカ出身で現在オーストラリアに住んでいる作…

すごろくを作れば、の話。

世界すごろく、とは苦し紛れに名を付けましたが、 いざ考えてみると、案外いいネーミングでした。 すごろくを作っているのはあの人ではなく、 あたしだという決め事があるだけで。 コマを進めるのも、あたしの強い気持ちだったり、 隣の人が向かう先に気まぐ…

もやもやを持てないもやもや、の話。

あなたという小説に登場する ルーシーという娘さんは、 南アフリカのアパルトヘイト廃止直後を たくましく生きる女性だけれど、 その姿を、あたしは あたしが望んで立ち寄る街の一角で よく見かけたことがあるような気がしています。 その彼女は「善い人」を…

文学論をひとり遊び、の話。

小説家である著者が生み出した架空の小説家が、 作品の中で意気揚々と、著者本人が普段口にする 文学論や作家論を登場人物相手に戦わせる。 という劇を著者がひとりで演じ分けているのです。 そういうひとり遊びの楽しさを あたしも少しばかり知っている気が…

半音ずれたピアノの音色、の話。

半音ずれて聴こえるピアノの音色は、 あたしの頭のゆとりのなさから来ています。 頭の中を空洞にできず、はちきれんばかりに 中身が詰まりに詰まっているから、 ピアノの半音分だけ三半規管が動いてしまいました。 何度確かめるように弾いても 不協和音に聴…

好きなのではなく、の話。

気付きました、あたし。 あたしは あなたが好きなのではなく、 丸ごと あなたになりたいのです。

すべては もうあたし側で、の話。

あたしの身体は、 あまりにもその世界に溶け込み、 そこで起こる出来事に何ひとつ疑問を持ちません。 あたしは あたしの境界線を保つのが下手ですから、 虎が算数の宿題をお手伝いしても、 片耳を切った男性が同じ耳を切ろうとした時に、 刃が通った感触がな…

3つのまたしても、の話。

またしても、またしても、あたしは綴る。 あの子が必ず踏んでしまう橋の板は、 あたしが その世界で必ず遭遇してしまう 淡い桃色づいた透明なバンビと同じ柄をしている。 だから、あたしも必ずその板を踏むでしょう。 あの子は あたしじゃないけれど、あたし…

魂の甘焦げた汗、の話。

この小説は ひとたび読み始めたら、 最後まで読み通さないといけません。 途中で中断されることがありましたら、 また一から読み直してください。 その代わり、物語のどんな箇所にも 必要以上に足を止める必要もありません。 そこに書かれている出来事も話し…

幻を本気で歴史に変える、の話。

あたしがあなただと思っていた人は、 どうやら まったくあなたではなくて、 あたしがあなただと思い込みたい誰かだったようでして、 でも そうなると、あたしが密かに心で温めていた あなたが好きなあたしの魅力、はもう行き場がなくなり、 呼吸もできずに窒…

両想いなのに片側想い、の話。

両想いなのに片側想い、という幾何学模様は存在します。 そして、その図柄を美しいと思い込みたいあたしこそが、 他でもない そのタペストリーを織る張本人だという事実も どこにも逃れられずに、絨毯のそばを舞う埃として存在しています。

肌にスイカ汁の染みを、の話。

あなたは掃除機のように様変わりし、 たくさんのサクランボをどんどん籠に集め、 あたしは その瞬間にいつも遭遇してしまうから。 その度に、 あたしが捧げた甘いスイカから したたる汁は、 あたしの肌にうっすらと染みを残していくけれど、 それを泣き跡、…

3という数字は大きいのか小さいのか、の話。

3、という数字は大きいのか小さいのかについて、 いつまでも答えを決めずに悩んでいたいから、 それを百遍でも試し続けるのです。 一文字の漢字の契りのもと、時代も国籍も越えて、 身を寄せ合いながら並べられる名前たちと物語たち。 あまり見かけたことが…

ジキル博士とハイド氏に覗かれる、の話。

今のあたしが大好きな人と 今のあたしが大嫌いな人、が ここを覗いてくれていることを想像してみる。 ジキル博士とハイド氏や 白黒なオセロの駒が教えてくれるように 一番の喜びを与えてくれる人は 一番の落ち込みも授けてくれるのだけれど、 それでも あた…

図々しい背伸び、の話。

ひらがなを一文字一文字並べていく。 音符を一つ一つ連ねるように。 ただそれだけで、あたしは 世の中に起きるあらゆる絶望に ふわっとしたときめきを添えられる。 そんな図々しい背伸びをしています。

とにかく止まらないスイカの種、の話。

あたしがあたしを許す、という受け入れは、 他のどんな包み込みよりも生温かく、 極上の心地よさを飛ばしてくるから。 ひとたび こじ開けた出口の先端では あたしのめるみほしきさが たまらず疼き、 決して速くはないけれど、とにかく止まらずに あたしにあ…

無重力に放り投げるおまじない、の話。

あなたの魔法は、あたしを揺さぶり、 あたしがあたしでいるために、それだけでなく、 あたしがあなたを大切にするために大事にしている欠片たちを 無造作に四方八方に散乱させ、 あたしからあたしをどんどん引き離していく。 その重力の逆らいは、あたしのこ…

あなた、から始まる文章でしか、の話。

あなた、から始まる文章でしか 世界を切り開けないあたしなのだけど。 こんなことも言ってみる。 あたしに会いたくなったら、ここに来てほしい。 あたしよりも、あたしらしいあたしが、ここには いる。 あなたの視力がしおれてしまうぐらいに、 ここの世界を…

まだ指揮者にはなれなくて、の話。

さみあもにょるは、もうガラクタ箱に入れたのだよ、と あたしの口の左側の喉奥から聞こえてきた 過去のぼやきは、腹話術のいたずらだったのか。 最近は あたしの中の めるみほしきな感覚が、 ひょんな刺激を受けても再現されるようになりました。 とある宣告…